mixiのオープン化

mixiが招待制の廃止など、戦略的なポリシー変更を発表しております。


「mixiが招待制廃止、15歳以上から参加可能に--「mixiアプリ」提供も」2008.11.27 @CNET

　ミクシィは11月27日、ソーシャルネットワーキングサービス（SNS）「mixi」の利用制限を緩和することを発表した。12月10日からは15歳～17歳のユーザーもmixiを利用できるようになり、2009年春には招待制を廃止する。またmixi Platformを開放し、12月11日にパートナー向けに「mixiアプリ」のベータ版を提供する。

→「株式会社ミクシィ | PRESS RELEASE」

【関連記事】
「mixi、年齢制限を15歳に引き下げ。2009年春に招待制から登録制へ」2008.11.27 @BB Watch
「「mixiを小さなインターネットに」　招待制・“18禁”廃止の狙いを笠原社長に聞く」2008.11.27 @ITmedia
「mixiが招待制廃止へ　来春から登録制、年齢制限も緩和」2008.11.27 @ITmedia
「【トレビアン】mixiオープン化発表会！　18歳未満解禁！」2008.11.27 @livedoor ニュース
「ミクシィ笠原社長に聞く、mixiが登録制に移行したワケ」2008.11.27 @CNET
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今回の発表については、記者発表向けの案内をうけて、メディア関連方面からいくつかの記事がでておりました。

「【トレビアン】mixiオープン化 27日に発表会　API公開？　招待制の廃止？」2008.11.21 @livedoor ニュース
「mixiが動きだした！Open IDコンテスト、オープン化記者発表」2008.11.21 @湯川鶴章のIT潮流

いずれもキーワードとしてオープン化ということにフォーカスされておりますが、記者発表の案内が「オープン化に関する記者発表会」というものだったからでしょうか。

発表内容としては、ニュースリリースにもありますが、以下のようなものとなります。

1. mixi Platformの開放
12月11日より「mixi アプリ」のパートナー向けβ版を提供。パートナーの募集開始。
2009年春「mixi Connect」を公開予定。
パートナーを資金面で支援するファンドの設立準備。

2. mixi利用制限の緩和
2008年12月10日（水）より、15～17歳を対象に年齢制限を引き下げ。
2009年春、登録制を導入予定。
新規登録時の携帯電話端末認証に関しては継続。

年齢制限の引き下げに伴い、『mixi』の健全性をより強化する新たな施策を導入。
→ユーザーサポート体制の強化
→セキュリティシステムの増強
→青少年ユーザーの一部機能の利用制限
→新規登録時の生年月日登録必須化

このあたりは、これから賛否両論ありそうですが、オープン化というか規制緩和という感じかしら？

招待制から登録制にというところは、年齢制限を15歳以上（中学3年生も対象となりそうですが、メインは高校生の取り込みと考えてよさそう？）としたことで、学年という年次的な世代のつながりが支配的な世代においては、ユーザーの取り込みを加速する上では、避けられなかったのではないかと思います。

ただ、これまでmixiを支えてきた、ユーザーによる後見人的な信頼システムがなくなるということがなにかしら、ユーザーに与える影響というのはありそうです。ネットリテラシー的な話もでていたようですが、1500万というスケールのコミュニティを考えると、率直な感触としてもmixiユーザーがリテラシーが高いということもなさそうな…安全・安心といったところをコミュニティに求める声もよく聞きました。
（なんというか、ノイズに対する耐性が微妙…という気も）

安全・安心という面については、運営的なアプローチとして体制の強化ということも盛り込まれておりますが、未然に防ぐということではなくて、監視を行うということになると思うので、悪い影響の拡大を防ぐことしかできないのかなとも。（まあ必要な措置だとは思いますが…）


最近のmixiに関する話題について…

→「チミンモラスイ？ : "OpenID" by mixi Platform」2008.8.21
→「チミンモラスイ？ : 「mixi年賀状」登場！」2008.10.29
→「チミンモラスイ？ : mixi と GREE」2008.11.7

OpenSocialへの対応については、1年以上前の話題だったですね。

→「チミンモラスイ？ : "OpenSocial"の余波」2007.11.5


そういえば、以前、勉強会のテーマとしてmixiのことを考えたことがあって、そこでちょこっと年齢制限について触れておりました。

→「チミンモラスイ？ : [イノベーション勉強会]mixiの今後の課題と可能性」2006.9.24

これまでと異なる属性の流入によって、既存ユーザーの反応が気になるところです。

（というか、根本的にアクティブ率の低下にみられるような、ユーザー離れということとどう向き合うかという解として母数を増やすという選択なのかなーというのがちょっと…）

ITmediaの記事（岡田有花女史の署名記事）の最後に、笠原社長の言葉として以下のようにあります。

　ユーザー層拡大とオープン化で、mixiは「小さなインターネット」を目指す。「インターネットというプラットフォームの上に、人間関係を基軸にした小さなプラットフォームができるイメージ。リアルな友人知人、家族がつながるコミュニケーションインフラにしたい」（笠原社長）

「小さなインターネット」というのは、オープン化ということに対して？？という感じもするのですが（笑）、"コミュニケーションインフラにしたい"という言葉が、サービス開始のころの思想に戻ってきたのかなということに、ちょっと安心ｗ
上場後、株主を意識しての発言だったのだとは思いますが、メディア化ということを強調していたのですが、サービスのデザインにも関わってくることですので、こういった提供者の思想というのは原点回帰ということでも大事なことだと思います。